相続した実家、放置は絶対ダメ!空き家が「負動産」になる前にやるべき5つのこと
親から相続した、思い出の詰まった実家。しかし、自分は既に別の場所に家を持ち、そこに住む予定もない…。
「とりあえず、そのままにしておこう」
「たまに帰って、空気の入れ替えと草むしりだけはしているから大丈夫」
そんな風に、問題を先送りにしていませんか?その「とりあえず放置」が、あなたの大切な資産を、気づかぬうちに**毎月お金を垂れ流すだけの「負動産(ふどうさん)」**に変えてしまう、最も危険な選択であることに、あなたはまだ気づいていないかもしれません。
この記事では、なぜ実家の放置が絶対にいけないのか、その深刻なリスクを具体的に解説するとともに、あなたの実家が手遅れになる前に、今すぐやるべき「5つのこと」を、ステップバイステップでご紹介します。
なぜ「とりあえず放置」が、あなたの資産を食いつぶすのか?
「誰も住んでいないだけ」と軽く考えてはいけません。空き家は、あなたが思っている以上のスピードで劣化し、様々なリスクを生み出す時限爆弾のような存在なのです。
- お金のリスク:固定資産税が6倍になる悪夢
管理が行き届かない空き家は、行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。そうなると、固定資産税の軽減措置が解除され、税金が最大で6倍に跳ね上がります。年間10万円だった税金が、ある日突然60万円になる。そんな悪夢が現実になるのです。 - 安全のリスク:倒壊・火災で損害賠償責任を負う
老朽化した家屋は、台風や地震で倒壊し、隣家や通行人に被害を与える可能性があります。その責任は、すべて所有者であるあなたにあります。また、放火や不法侵入など、犯罪の温床になる危険性も常に付きまといます。 - 資産価値のリスク:時間が経つほど、価値は下がり続ける
家は、人が住まなくなると、換気が行われなくなり、湿気で急速に傷んでいきます。畳は腐り、壁にはカビが生え、柱はシロアリに食われる…。放置すればするほど建物の価値はゼロに近づき、いざ売ろうと思っても、買い手がつかない「塩漬け物件」になってしまうのです。
これらのリスクを回避し、実家を「負動産」ではなく、あなたの未来を助ける「富動産」に変えるために。さあ、今すぐ行動を始めましょう。
「負動産」化を防ぐ!今すぐやるべき5つのステップ
何から手をつけていいか分からない、というあなたのために、やるべきことを5つのシンプルなステップにまとめました。この順番通りに進めれば、必ず道は開けます。
ステップ1:【名義の確認】その実家、本当にあなたの名義ですか?
これが全ての始まりです。意外と見落としがちですが、相続した実家の登記名義が、亡くなった親のままになっていませんか?2024年4月から「相続登記」が義務化され、正当な理由なく怠ると過料(罰金)が科されることになりました。まずは法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、現在の所有者が誰になっているかを正確に確認しましょう。親の名義のままなら、司法書士に相談し、速やかに自分の名義に変更する手続きを進めてください。
ステップ2:【現状の把握】実家に残されたモノを整理し、価値を把握する
次にやるべきは、実家の「中身」の整理です。親が遺した家具や衣類、思い出の品々…。これらが残ったままでは、売ることも貸すこともできません。まずは兄弟などと協力し、残すもの、処分するものを仕分けしましょう。大変な作業ですが、専門の「遺品整理業者」に依頼するという選択肢もあります。
同時に、家の状態(雨漏りはないか、シロアリの被害はないかなど)を客観的にチェックし、資産としての「現在の価値」を冷静に見極めることが重要です。
ステップ3:【親族との対話】「どうしたいか」を全員で話し合う
実家は、あなた一人のものではないかもしれません。もし兄弟姉妹がいるなら、この問題は共有の課題です。「自分は売りたいけど、弟は残したいと思っている」といった意見の食い違いは、後々大きなトラブルの種になります。
ステップ2で把握した家の現状を元に、「この実家を、私たち家族は将来どうしていきたいのか」を、必ず関係者全員で真剣に話し合い、方向性のコンセンサスを得ておきましょう。このプロセスを飛ばすと、後で必ず後悔します。
ステップ4:【選択肢の具体化】全ての可能性を「数字」で比較する
親族との方向性が固まったら、いよいよ具体的な選択肢を検討します。主な選択肢は「売却」「賃貸」「解体」「活用」の4つ。ここで重要なのは、憶測で判断するのではなく、全ての選択肢をプロに相談し、具体的な「数字」に落とし込むことです。
- 「もし売却したら、手取りはいくらになるのか?」→ 不動産会社に査定を依頼
- 「もし賃貸に出すなら、リフォーム費用と家賃はいくらか?」→ リフォーム会社や管理会社に見積もりを依頼
- 「もし解体するなら、費用はいくらか?」→ 解体業者に見積もりを依頼
- 「もし更地にして活用するなら、どんなプランがあり、いくら儲かるのか?」→ 土地活用の専門会社にプランを依頼
これらの数字を全てテーブルの上に並べて初めて、感情論ではない、客観的で合理的な判断が可能になります。
ステップ5:【決断と実行】最も合理的な道を選び、専門家と共に進む
全ての数字が出揃ったら、いよいよ最終決断です。ステップ3で話し合った家族の想いと、ステップ4で明らかになった客観的な数字を照らし合わせ、あなたたち家族にとっての「最適解」を選びましょう。
そして、一度決断したら、あとはその道のプロフェッショナル(不動産会社、建築会社など)を信頼し、パートナーとして共に歩んでいくことが重要です。一人で全てを抱え込む必要はありません。
まとめ:先送りは、百害あって一利なし。今日が、行動する日。
相続した実家は、親があなたに遺してくれた、かけがえのない大切な資産です。しかし、その価値は、あなたが行動を起こさなければ、時間と共に失われていくだけでなく、やがてあなたの生活を脅かす「負動産」へと変貌してしまいます。
何から手をつけていいか分からない、という不安な気持ちはよく分かります。しかし、今日ご紹介した5つのステップに沿って一つずつ進めていけば、必ず解決の道は見えてきます。
まずは、その第一歩として、ステップ4で挙げたような専門家たちに、無料で相談することから始めてみてはいかがでしょうか。プロの知見を得ることで、あなたの目の前の霧は晴れ、進むべき道がはっきりと見えてくるはずです。