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空き家をリフォームして貸すのは儲かる?費用対効果をプロがシミュレーション

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空き家をリフォームして貸すのは儲かる?費用対効果をプロがシミュレーション

空き家をリフォームして貸すのは儲かる?費用対効果をプロがシミュレーション

「このまま放置していても、税金がかかるだけ。いっそ、綺麗にリフォームして誰かに貸せば、家賃収入でプラスになるんじゃないか?」

相続した実家などの空き家を前に、多くの人が一度は思い描く、魅力的なシナリオ。それが「賃貸経営」です。空き家が、毎月お金を生み出す「金の卵」に変わるかもしれない。そう考えると、夢が膨らみますよね。

しかし、その夢の裏側には、「高額なリフォーム費用」という、大きな現実が横たわっています。一体いくら投資して、どれくらいの家賃で貸せば、本当に「儲かる」と言えるのでしょうか?

この記事では、「空き家をリフォームして貸す」という選択肢を本気で検討しているあなたのために、そのリアルな費用対効果を、プロの視点から徹底的にシミュレーションします。この数字を見れば、あなたの計画が「夢物語」なのか、それとも「実現可能な事業」なのか、その輪郭がはっきりと見えてくるはずです。

大前提:「リフォーム賃貸」の成否は、2つの数字で決まる

空き家賃貸経営が儲かるかどうか。その判断は、突き詰めれば2つの数字のバランスで決まります。

  • 1.初期投資(Initial Cost):主にリフォーム費用。どれだけのお金を最初にかけるか。
  • 2.年間収益(Annual Return):年間の家賃収入から、税金や管理費などの経費を引いた、手元に残るお金。

そして、投資の世界で費用対効果を測る最も基本的な指標が「表面利回り」です。

表面利回り(%) = 年間家賃収入 ÷ (物件取得費 + リフォーム費用) × 100

一般的に、中古戸建ての賃貸経営では、この表面利回りが8%〜10%以上あると、事業として成り立つ一つの目安とされています。今回は、この「利回り」という物差しを使って、シミュレーションを進めていきましょう。

【シミュレーション】築40年・30坪の空き家。リフォームして貸すとどうなる?

多くの方がイメージしやすいように、地方都市にあるごく一般的な空き家をモデルケースとします。

  • 物件:築40年 / 木造2階建て / 延床面積100㎡(約30坪)
  • 土地・建物の価値:500万円(相続で取得したため、取得費は500万円と仮定)
  • 想定家賃:月8万円(年間96万円)

この物件を、3つの異なるリフォームレベルで貸し出した場合、費用対効果(利回り)はどのように変化するのでしょうか。

ケース1:【最低限リフォーム】費用300万円の場合

人が住める最低限の状態にすることを目的とした、コスト最優先のリフォームです。

【工事内容】壁紙・床の張替え、キッチン・トイレ・洗面台など水回りの設備交換、ハウスクリーニングなど。
【初期投資総額】物件価値500万円 + リフォーム費用300万円 = 800万円

【表面利回り】
年間家賃収入96万円 ÷ 初期投資800万円 × 100 = 12.0%

【評価】利回り12%は、非常に優秀な数字です。投資回収期間も約8.3年と短く、事業としては大成功と言えるでしょう。しかし、これはあくまで「この家賃で、すぐに入居者が見つかれば」の話。最低限のリフォームでは、物件の魅力が乏しく、長期の空室リスクを抱える可能性があります。

ケース2:【標準リフォーム】費用600万円の場合

現代のライフスタイルに合わせて、より快適で魅力的な空間にすることを目指す、一般的なリフォームです。

【工事内容】ケース1に加え、風呂のユニットバス化、間取りの変更(例:和室をリビングに)、外壁・屋根の塗装など。
【初期投資総額】物件価値500万円 + リフォーム費用600万円 = 1,100万円

【表面利回り】
年間家賃収入96万円 ÷ 初期投資1,100万円 × 100 = 8.7%

【評価】利回り8.7%は、合格ラインと言えるでしょう。投資額は増えますが、物件の魅力が格段にアップするため、空室リスクを抑え、長期的に安定した経営が見込めます。多くのケースで、このレベルのリフォームが最もバランスの取れた選択肢となります。

ケース3:【フルリノベーション】費用1,200万円の場合

新築同様、あるいはそれ以上の価値を生み出すことを目指す、大規模な改修です。

【工事内容】ケース2に加え、耐震補強、断熱性能の向上、デザイン性の高い内装、設備のハイグレード化など。
【初期投資総額】物件価値500万円 + リフォーム費用1,200万円 = 1,700万円

【表面利回り】
年間家賃収入96万円 ÷ 初期投資1,700万円 × 100 = 5.6%

【評価】利回り5.6%では、事業として「儲かる」とは言い難いレベルです。このレベルのリフォームをする場合は、家賃設定を月10万円以上に上げるなど、明確な高付加価値戦略が必要になります。自己満足の過剰な投資にならないよう、冷静な判断が求められます。

シミュレーションから見える「儲かる」ための2つの鉄則

このシミュレーションから、空き家賃貸経営を成功させるための、2つの重要な鉄則が見えてきます。

  1. 「家賃相場」から逆算して、リフォーム費用の上限を決めること
    「あれもこれも」と理想を詰め込むのではなく、まず「そのエリアで、その家は最大いくらの家賃で貸せるのか」という現実的な家賃相場を、地元の不動産会社に徹底的にヒアリングしましょう。そして、目指すべき利回り(8%以上)から逆算して、「かけられるリフォーム費用の上限は〇〇〇万円まで」という冷静な予算を立てることが、失敗しないための絶対条件です。
  2. 「誰に貸すか」というターゲットを明確にすること
    そのエリアに住みたいのは、どんな人でしょうか?若いカップル?子育て中のファミリー?それとも単身の学生?ターゲットによって、求められる間取りや設備は全く異なります。ターゲットを明確にすることで、リフォームの「お金をかけるべきポイント」と「節約していいポイント」が見えてきて、費用対効果を最大化できます。

まとめ:感情論ではなく、「事業計画」で判断しよう

「思い出の詰まった実家だから、どうせなら綺麗にしてあげたい」という気持ちは、とても尊いものです。しかし、賃貸経営は、思い出を保存するためのボランティアではなく、利益を追求する「事業」です。

その事業を成功に導く鍵は、感情論ではなく、客観的な数字に基づいた、緻密な「事業計画」です。

「この家をリフォームして貸す」という選択肢が、あなたの空き家にとって本当に最善の道なのか。それを判断するためには、他の選択肢、つまり「売却したらいくらになるのか」「解体して更地で活用したら、どれくらいの収益が見込めるのか」といった情報も、同時に比較検討する必要があります。

まずは、リフォーム会社への見積もり依頼と並行して、不動産会社や土地活用の専門会社にも声をかけ、全ての可能性をテーブルの上に並べてみてはいかがでしょうか。その客観的な比較こそが、あなたの資産を最大化するための、最も確実な一歩となるはずです。