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【最新土地活用】LUUPやHELLO CYGLINGのポートオーナーは儲かる?収入・費用・始め方を徹底解説
街を歩けば、緑色の電動キックボードや、おなじみのロゴが入ったシェアサイクルが、当たり前のように駆け抜けていく。そんな光景が、もはや日常になりました。
そして、ふと気づくと、これまで何もなかったアパートの片隅や、三角形の小さな空き地に、それらのポート(専用駐輪場)がいつの間にか設置されている。あなたも、「うちの土地のあのデッドスペースにも置けるのかな?」「あれって、土地オーナーは一体いくら儲かるんだろう?」と、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、LUUPやHELLO CYCLINGといった「シェアモビリティ」のポートオーナーになるという、最新の土地活用について、その夢のある話(メリット)と、あまり語られない現実(デメリットや収益のリアル)を、包み隠さず徹底解説します。そして、その先にある、より本格的な資産形成への道筋までを示します。
なぜポート設置は魅力的に見えるのか?その「甘い誘惑」
まず、なぜ多くの土地オーナーがポート設置に興味を持つのか。その理由は、このビジネスモデルが持つ、非常に魅力的な3つの「ゼロ」にあります。
- 初期費用がほぼゼロ:ポートの設置工事や看板、自転車やキックボード本体など、事業開始に必要なものは、すべて運営会社が負担してくれます。オーナーは基本的に1円も払う必要がありません。
- 維持管理の手間がほぼゼロ:機体のバッテリー交換やメンテナンス、故障時の修理、利用者からの問い合わせ対応など、日々の面倒な運営業務は、全て運営会社が行います。オーナーがやることは、基本的にありません。
- 専門知識がゼロでもOK:アパート経営のような複雑な税務や法律の知識は一切不要です。基本的には「土地を貸すだけ」というシンプルな契約で、誰でもすぐに始められます。
「ノーリスクで、手間もかからず、今まで死んでいた空き地がお金を生む」。これだけ聞くと、まさに夢のような話に聞こえますよね。しかし、物事には必ず光と影があります。その甘い誘惑の裏側を、冷静に見ていきましょう。
【収益のリアル】で、結局いくら儲かるのか?
では、肝心の収入はどれくらいなのでしょうか。LUUPとHELLO CYCLINGでは、収益モデルが少し異なりますが、共通しているのは、それが「大きな収益」とは言えない点です。
LUUPの場合:「設置協力費」という名の固定賃料
LUUPの収益は、基本的に毎月固定の「設置協力費」として支払われます。これは、そのポートの利用回数に関わらず、一定額が支払われる家賃のようなものです。つまり、どれだけ人気ポートになっても、オーナーの収入は基本的に変わりません。
その金額は、設置台数や立地条件によって大きく異なり、月々数千円〜良くても数万円程度が相場と言われています。非常に人通りの多い駅前の一等地など、運営会社が「どうしてもここに置きたい」と判断した場合は、契約時に一時金(礼金のようなもの)が支払われるケースもあるようですが、これはかなり稀なケースです。
HELLO CYCLINGの場合:「1ラックあたり」の積み上げ式賃料
HELLO CYCLINGは、自転車を停める「ラック」の数に応じて賃料が支払われるモデルが一般的です。例えば、1ラックあたり月々500円〜2,000円といったイメージです。
もし5ラック設置すれば、月々2,500円〜10,000円の収入になります。LUUPと同様、これも利用回数に左右されない固定収入ですが、収益規模としては、より「お小遣い」に近いレベルであることが分かります。固定資産税の足しになれば御の字、といったところでしょう。
見落としてはいけないメリットと、それ以上に重要なデメリット
「なんだ、大して儲からないじゃないか」と思うのはまだ早計です。経験豊富なオーナーは、目先の収益以外の部分にも価値を見出しています。しかし、同時に注意すべきデメリットも存在します。
メリット
- 物件の付加価値向上:「最寄り駅から徒歩12分」の物件でも、「LUUPポートあり(駅まで実質3分)」とアピールできれば、入居者募集において競合物件との大きな差別化要因になります。
- デッドスペースの完全収益化:自動車1台を置くには狭い、三角形の土地の先端部分など、本当に使い道のない「死に地」をわずかでも収益化できるのは、大きな魅力です。
- 違法駐輪の防止:これまで無断で自転車が置かれがちだった場所にポートを設置することで、敷地の管理がしやすくなるという副次的な効果も期待できます。
デメリット
- 契約が一方的に打ち切られるリスク:これが最大のデメリットです。運営会社は、常に全ポートの利用率をデータで計測しており、「この場所は採算が合わない」と判断されれば、ある日突然、契約終了を告げられる可能性があります。安定収入とは言え、それは運営会社の都合次第であり、永続的なものではないのです。
- 第三者の出入りとマナー問題:ポートは、あなたの物件の入居者以外の不特定多数の人が利用します。深夜の利用音や話し声、ゴミのポイ捨てといったマナー問題が発生し、入居者からのクレームに繋がる可能性もゼロではありません。
- 社会的なイメージと将来性:特に電動キックボードは、その利便性の一方で危険運転が社会問題化しており、ネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。将来的な法規制の強化など、外部環境の変化によって事業自体が縮小するリスクも考慮する必要があります。
結論から、次のステップへ:同じスペースで、もっと大きな収益を狙う方法
ここまで見てきたように、LUUPやHELLO CYCLINGのポート設置は、「ほぼノーリスクで、手間をかけずに、空きスペースから数千円〜数万円の副収入を得る」という目的においては、非常に優れた選択肢の一つです。
しかし、もしあなたが「土地活用によって、固定資産税の支払いを賄い、さらに将来のための安定した収益の柱を築きたい」という、本格的な「資産形成」を目指しているのであれば、その答えは明確に「No」です。ポートからの収入だけでは、その目的を達成するにはあまりにも力不足でしょう。
ここで重要なのは、**「LUUPのポートが置けるスペースがあるなら、もっと収益性の高い別の活用も可能である」**という視点です。
- もしバイク5台分のポートが置けるなら…
そのスペースは、「バイク専用駐車場」として、ポート設置の何倍もの収益を生む可能性があります。月極契約なら、より安定した収入が見込めます。 - もし自転車10台分のポートが置けるなら…
そのスペースは、「コンテナ型トランクルーム」を設置するのに十分な広さかもしれません。周辺の収納ニーズを捉えれば、ポートの5倍、10倍の収益も夢ではありません。 - もし車2台分の駐車スペースがあるなら…
そのスペースは、「冷凍グルメの無人販売所」や、複数のユニークな自販機を並べた「自販機コーナー」として、話題性と高い収益を両立できる可能性を秘めています。
大切なのは、一つの流行に飛びつくことではありません。あなたの土地で実現可能なあらゆる土地活用の選択肢をテーブルの上に並べ、それぞれの初期費用、収益性、リスクを客観的に比較検討すること。それこそが、後悔しないための、最も確実で賢明な第一歩なのです。