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「なぜ、あのコインランドリーは潰れないのか?」意外と知らない高収益ビジネスの裏側
街の片隅で、昔からずっとそこにあるコインランドリー。
お客さんが入っているところをあまり見かけないのに、なぜか何年も営業を続けている…。
あなたも、そんな光景に「あの店、どうやって経営が成り立っているんだろう?」と、不思議に思ったことはありませんか?
「洗濯なんて家でするのが当たり前」「儲かるイメージが全く持てない」――。多くの人がそう感じるコインランドリービジネス。しかし、その一見のどかな風景の裏側には、実は極めて合理的で、驚くほど手堅い「高収益ビジネスモデル」が隠されているのです。
この記事では、なぜコインランドリーが潰れないのか、そのカラクリを徹底的に解剖します。この記事を読み終える頃には、あなたのコインランドリーを見る目が180度変わっているかもしれません。
先に結論:コインランドリーが潰れない3つの理由
なぜ、お客さんがまばらにしか見えないコインランドリーが、安定した経営を続けられるのか。その答えは、このビジネスが持つ3つの強力な特性に集約されます。
- 理由1:利益率が異常に高い「ストック型ビジネス」であること
- 理由2:「家ではできない洗濯」という、強力な固定需要があること
- 理由3:節税対策としての「副業」に、極めて向いていること
一つずつ、その詳細な「裏側」を見ていきましょう。
カラクリ1:驚異の利益率!「人件費ゼロ」が生み出すお金の仕組み
コインランドリービジネスの収益構造は、他の多くのビジネスとは一線を画します。その最大の秘密は、運営コストの大部分を占める「人件費」が、ほぼゼロであるということです。
売上のほとんどが利益になる構造
飲食店であれば、売上から食材費や人件費、家賃などを差し引いたものが利益になります。しかし、コインランドリーの場合、一度設備を導入してしまえば、日々の運営にかかる主なコストは以下のものだけです。
- 家賃(土地が自己所有なら不要)
- 水道光熱費
- 洗剤などの消耗品費
- 機器のメンテナンス費用
スタッフを常駐させる必要がないため、売上がそのまま利益に直結しやすい、非常に高い利益率を誇るビジネスモデルなのです。例えば、売上が月50万円で、上記の経費が15万円だった場合、手元には35万円もの利益が残る計算になります。
24時間365日、あなたが寝ている間も稼ぎ続ける
スタッフが不要ということは、営業時間に縛られないということでもあります。洗濯機と乾燥機は、あなたが寝ている間も、旅行に行っている間も、文句一つ言わずに24時間365日、黙々とお金を稼ぎ続けてくれるのです。これは、労働時間を切り売りする働き方とは全く異なる、まさに「資産がお金を生む」ストック型ビジネスの典型です。
カラクリ2:時代の変化が追い風に。「家ではできない洗濯」への強い需要
「洗濯なんて家でする」という常識は、実はもう古くなりつつあります。現代人のライフスタイルの変化が、コインランドリーに新たな需要を生み出しているのです。
① 共働き世帯の「時短」ニーズ
忙しい共働き世帯にとって、週末に溜まった1週間分の洗濯物を一気に片付けるのは重労働です。家庭用の洗濯機では何度も回さなければいけない大量の洗濯物も、コインランドリーの大型洗濯機なら一度で完了。さらに、パワフルなガス式乾燥機を使えば、わずか30分ほどでフカフカに乾きます。この「時間を買う」という感覚が、多くの家庭に支持されています。
② アレルギー・衛生意識の高まり
花粉やPM2.5、ダニなどを気にする人が増え、「外に洗濯物を干したくない」というニーズが年々高まっています。また、家庭ではなかなか洗えない羽毛布団や毛布、カーペットなどを丸洗いし、高温乾燥でダニを死滅させたいという衛生的な需要も、コインランドリーの大きな収益源となっています。
③ 独身・単身世帯の増加
そもそも家に洗濯機を持たない、あるいは洗濯をする時間がないという単身世帯も増えています。彼らにとって、コインランドリーは生活に欠かせないインフラの一つなのです。
このように、コインランドリーは単なる「洗濯機がない人のための場所」から、現代人の多様なニーズに応える「生活ソリューションの場」へと進化しているのです。
カラクリ3:本業を持つ富裕層に愛される「最強の節税スキーム」
実は、コインランドリーのオーナーには、本業で高い収入を得ている医師や弁護士、企業経営者などが少なくありません。なぜなら、コインランドリー経営は、非常に優れた「節税対策」になるからです。
「減価償却」という魔法
少し専門的な話になりますが、コインランドリーの洗濯機や乾燥機といった高額な設備は、「減価償却資産」として、数年間にわたって経費として計上することが法律で認められています。これが「減価償却」です。
例えば、2,000万円の設備投資をした場合、実際にお金が出ていくのは初年度だけですが、帳簿上は毎年数百万円の「赤字」を意図的に作り出すことができます。そして、このコインランドリー事業の赤字を、本業の給与所得などの黒字と合算(損益通算)することで、本業にかかる所得税や住民税を大幅に圧縮することができるのです。
つまり、彼らにとっては、コインランドリーの売上そのものよりも、この「節税効果」が大きな魅力となっているケースも少なくありません。これが、一見儲かっていなさそうに見えても、オーナーにとっては十分に事業を続けるメリットがある、大きな理由の一つです。
まとめ:コインランドリーは、見かけによらない「賢者のビジネス」だった
「なぜ、あのコインランドリーは潰れないのか?」その答えは、
- 人件費ゼロという、極めて高い利益率を持つビジネス構造
- 時代の変化によって生まれた、多様で根強い固定需要
- 富裕層にとっては、魅力的な節税対策となる側面
という、3つの強力なカラクリに支えられていました。
もちろん、どんなビジネスにもリスクはあり、立地選定や競合調査を誤れば失敗することもあります。しかし、そのビジネスモデルの本質を正しく理解すれば、コインランドリー経営が、いかに手堅く、そして奥深いものであるかが見えてきたのではないでしょうか。
もしあなたの空き土地が、住宅街の中にあり、15坪程度の広さがあるならば。それは、この賢者のビジネスを始めるための、絶好の舞台となるかもしれません。