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土地活用の「利回り」の嘘とホント|表面利回りに騙されず、本当の収益性を見抜く方法

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土地活用の「利回り」の嘘とホント|表面利回りに騙されず、本当の収益性を見抜く方法

土地活用の「利回り」の嘘とホント|表面利回りに騙されず、本当の収益性を見抜く方法

「驚異の利回り12%!今すぐ始めるアパート経営!」

土地活用の情報収集を始めると、必ずと言っていいほど、このような魅力的な「利回り」の数字が目に飛び込んできます。利回りが高ければ高いほど、儲かる物件。そう考えて、その数字の高さだけで安易に飛びついてしまう…。それは、土地活用で失敗する人が陥る、最も典型的で危険な罠です。

実は、不動産業界で一般的に使われる「利回り」という言葉には、意図的に隠された「不都合な真実」があります。そのカラクリを知らなければ、あなたは甘い数字に踊らされ、実際にはほとんど利益の出ない、あるいは赤字の物件に手を出してしまうかもしれません。

この記事では、そんな「利回り」という言葉の嘘とホントを徹底的に暴き、あなたが広告の数字に騙されず、物件の「本当の収益性」を見抜くためのプロの視点を、分かりやすく解説します。

なぜ、広告の「高利回り」は信用してはいけないのか?

まず結論からお伝えします。あなたが広告や営業資料で目にする、一見すると非常に魅力的な「利回り」の数字。そのほとんどは「表面利回り(グロス利回り)」と呼ばれるものです。

そして、この「表面利回り」は、物件の本当の収益性を全く表していない、いわば「見せかけの数字」でしかありません。

なぜなら、表面利回りの計算式は、以下のようになっているからです。

表面利回り(%) = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

お気づきでしょうか?この計算式には、アパート経営に必ずかかる「経費」や「税金」といった、あらゆるコストが一切含まれていないのです。これは、売上だけを見て、仕入れや人件費を無視している飲食店のようなもの。これでは、本当に儲かるのかどうか、判断できるはずがありません。

これが真実!本当の収益性を測る「実質利回り(ネット利回り)」

では、プロの投資家が物件の収益性を判断する際に、本当に重視している指標は何なのでしょうか。それが「実質利回り(ネット利回り)」です。

実質利回りの計算式は、より現実に即しています。

実質利回り(%) = (年間家賃収入 − 年間諸経費) ÷ (物件価格 + 購入時諸費用) × 100

この計算式には、これまで無視されてきた、あらゆるコストが含まれています。

  • 年間諸経費:固定資産税、管理委託費、修繕積立金、火災保険料、共用部の水道光熱費など。
  • 購入時諸費用:不動産取得税、登記費用、ローン手数料など、物件価格以外にかかる初期費用。

この「実質利回り」こそが、物件の本当の実力を示す、信頼できる唯一の指標なのです。

【衝撃シミュレーション】表面利回り10%の物件、実質利回りはいくつ?

「表面利回りと実質利回りで、そんなに差が出るものなの?」と思うかもしれません。具体的な数字で、その衝撃的なギャップを見てみましょう。

【モデルケース】

  • 物件価格:5,000万円
  • 年間家賃収入:500万円
  • 購入時諸費用:350万円(物件価格の7%と仮定)
  • 年間諸経費:100万円(家賃収入の20%と仮定)

1.まず、広告に載っている「表面利回り」を計算します。

500万円(年間家賃収入) ÷ 5,000万円(物件価格) × 100 = 10.0%(表面利回り)

広告には「高利回り10%!」と、大きく掲載されるでしょう。非常に魅力的に見えます。

2.次に、この物件の「実質利回り」を計算します。

(500万円 − 100万円) ÷ (5,000万円 + 350万円) × 100
= 400万円 ÷ 5,350万円 × 100
= 約7.4%(実質利回り)

いかがでしょうか。見かけ上は10%もあった利回りが、現実のコストを考慮した途端、7.4%にまで下がってしまいました。この2.6%の差を「大したことない」と見過ごしてはいけません。長期的な資産形成において、この差は致命的です。

「本当の収益性」を見抜くために、あなたが営業マンにすべき“魔法の質問”

では、どうすれば私たちは、この「実質利回り」を知ることができるのでしょうか。答えは簡単です。営業マンから物件の提案を受けた際に、以下の“魔法の質問”をするだけです。

「この物件の、実質利回りは何%ですか?その計算に使った、年間の経費の内訳も見せてください」

この質問をされた営業マンは、「お、この人は素人じゃないな」と、背筋を伸ばすでしょう。そして、誠実な会社であれば、固定資産税や管理費など、想定される経費を一つ一つ積み上げた、詳細な収支シミュレーションを提示してくれるはずです。

逆に、この質問に対して「いや、普通は表面利回りで見るものですから…」などと、答えをはぐらかしたり、詳細な経費の内訳を提示できなかったりする業者は、信用に値しないと判断して良いでしょう。

【上級編】プロが最終的に重視する「自己資金利回り(CCR)」とは

実質利回りまで理解できれば、あなたはもう初心者ではありません。しかし、本当のプロは、もう一つ先の指標を見ています。それが、「自己資金利回り(Cash on Cash Return)」です。

これは、あなたが実際に投下した「自己資金(頭金など)」に対して、年間でどれだけの現金(キャッシュ)が手元に残ったかを示す、極めて重要な指標です。

自己資金利回り(%) = 年間キャッシュフロー ÷ 自己資金 × 100
※年間キャッシュフロー = 年間家賃収入 − 年間諸経費 − 年間ローン返済額

なぜこの指標が重要なのでしょうか。それは、少ない自己資金で、いかに効率よく資産を増やしていくか(=レバレッジ効果)を測る物差しだからです。同じ物件でも、自己資金を少なく、借入を多くするほど、この自己資金利回りは高くなります。ただし、それは同時に金利上昇などのリスクを大きく背負うことにもなります。この指標を理解することで、あなたは自分のリスク許容度に合わせた、より高度な投資判断が可能になるのです。

まとめ:「どの利回り」で話しているのか?その一言が、あなたを罠から守る

「この物件、利回り12%で、すごく良いんですよ!」

もし、あなたが営業マンからこんな言葉をかけられたら、今度からこう質問してみてください。

「その利回りって、表面利回りですか?それとも、経費を差し引いた実質利回りですか?」

この一言を言えるかどうか。それだけで、あなたは「カモにされる初心者」から、「本質を理解している投資家」へと変わることができます。

表面的な数字の魅力に惑わされず、その裏側にある経費やローンといった現実を直視し、最終的に自分の手元にいくら残るのかを見極める。それこそが、土地活用という長期にわたる事業で、あなたが成功を収めるための、最も確実で、唯一の方法なのです。