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【海外事例】農業と両立OK！農地に風力タービンを建てて、年金代わりの「風車収入」を得る方法
「先祖代々受け継いできた、この広大な農地。しかし、農業だけで家族を養っていくのは、年々厳しくなっている…」
「後継者もいないし、この土地の未来は一体どうなってしまうのだろう…」
地方で広大な農地を所有する多くの農家が、天候不順や市場価格の変動、そして後継者不足といった、深刻な問題に直面しています。
もし、その大切な農地を、これまで通り農業に使い続けながら、農業収入とは全く別の、極めて安定した「第二の収入源」を生み出すことができるとしたら。それは、まさに”神風”のように感じられるかもしれません。
今回は、アメリカの広大な農村地帯で広がる、農地に巨大な「風力タービン（風車）」を誘致し、農業経営とクリーンエネルギー事業を両立させるという、ダイナミックな土地活用術をご紹介します。
農業経営の不安定さを、”風の力”が支える
物語の舞台は、アメリカ中西部イリノイ州の農村部。ここで約324ヘクタール（東京ドーム約69個分）もの広大な農場を経営する、ジョン・ドリンガーさんも、多くの農家と同じように、農業収入の不安定さに悩んでいました。
そんな彼が下した決断は、民間の風力発電事業者と契約し、自身の農地に10基の巨大な風力タービンを設置させることでした。
「農地にそんなものを建てたら、肝心の作物が作れなくなるのでは？」と思うかもしれません。しかし、ここに、このビジネスモデルの巧みな点があります。風車の土台や、メンテナンス用のアクセス道に必要な面積は、広大な農地のごく一部（調査によれば、農地全体のわずか6%程度）。つまり、農家は、土地の9割以上で、これまで通りトウモロコシや大豆の耕作を続けることができるのです。
農業を続けながら、わずかな土地を提供するだけで、全く新しい収入源を手に入れる。この画期的な仕組みが、アメリカの多くの農家を救っています。
年収1,500万円超えも。「年金代わり」の超安定収入
では、農家は、この「風車収入」で、一体どれくらいの収益を得られるのでしょうか。その金額は、驚くべきものです。
報告によれば、風車1基あたり、農家には年間約8,000ドル〜33,000ドル（約110万円〜450万円）もの土地賃料が、風力発電事業者から支払われます。
ドリンガーさんの場合、10基の風車で、年間合計約120,000ドル（約1,680万円）もの、巨大な副収入を得ています。しかも、この賃料は、インフレに連動して年々上昇していく契約になっているのです。
ある農家は、この風車収入について、こう語っています。
「自営業の農家には、退職金も企業年金もない。この収入は、それまで無かった『退職プラン』を手に入れたようなものだ」と。
天候や市場価格によって毎年大きく変動する農業収入と違い、風車収入は、風が吹く限り、契約期間中（通常20年〜30年）、安定して振り込まれ続けます。この「超安定収入」が、農家の経営を下支えし、家族経営の農場が、次の世代まで存続していくための、力強い生命線となっているのです。
まとめ：あなたの土地も、未来のエネルギー拠点になれる
このアメリカの事例が、私たち日本の土地オーナーに教えてくれること。それは、土地活用は、必ずしも自分で事業を運営する必要はないということです。
あなたの土地を、未来の社会に不可欠な「エネルギーを生み出す場所」として、専門の事業者に提供する。そうすることで、あなたは初期投資も運営の手間も一切かけることなく、長期にわたって安定した収益を得ることができます。これは、太陽光発電にも通じる、非常に賢明な選択肢です。
日本でも、再生可能エネルギーの導入は国策として進められています。
- 郊外や山間部にある、広大な遊休地
- 農業を続けるのが難しくなってきた、耕作放棄地
- 日当たりや風通しの良い、高台の土地
あなたの所有するそんな土地が、実は、日本のエネルギー問題を解決する、重要な拠点になる可能性を秘めているかもしれません。
自分の土地の価値を、自分だけの視点で決めつけてはいけません。エネルギー事業のプロの目から見れば、そこは、計り知れないポテンシャルを秘めた「宝の山」に見えるかもしれないのです。